「CombineZP」で手持ち深度合成に挑戦してみた

「CombineZP」で手持ち深度合成に挑戦してみた

大がかりな機材なしで気軽に深度合成

「マクロ撮影で全体にピントを合わせること」の困難さ

マクロ撮影、特に等倍を超えるような撮影では、被写界深度は非常に浅くなる。
風景や人物といった一般的な撮影では絞れば十分な被写界深度が得られるけど、
マクロ域ではそれも焼け石に水。

F22くらいまで絞ってもピントの合う範囲はごくわずかなうえ、
回折現象やISO感度を上げることによる画質の低下が気になってくる。
※なお、被写界深度の計算式はマクロ撮影においては誤差が大きすぎて使い物にならない

また、高倍率マクロの撮影機材の定番のLaowa・引き伸ばしレンズ・広角レンズ逆付け
あたりは必然的に絞りの制御が手動になるため、
絞りすぎによる光量低下はピント合わせの困難さにつながる。
もともとレンズを繰り出すことによる光量低下(露出倍数)もあるので、
これらの問題はより深刻になる。

以上の事由により、マクロ撮影において「絞りのみで全体にピントを合わせようとすること」
は決して良い方法ということはできない。
もちろん良くないのは「絞りすぎ」で、必要な被写界深度を稼いだり
収差を抑える目的で「適度に絞る」ことは悪いことではない。

じゃあ、マクロ域で全体にピントの合った写真を撮るためにはどうしたら良いか。
選択肢は2つ。

一つは今回紹介する深度合成(focus stacking)。
同じ構図でピント位置をずらした写真を複数撮り、
ピントの合った部分を合成していく方法。
専用のフリーソフトを使えばある程度簡単にやることができる。

もう一つは、撮影対象を平面に映し出し、
モノ自体じゃなくてその平面を撮影する方法。
こっちは特別な機材が必要なので、素人はなかなか手が出せない。

フリーソフト「CombineZP」を使った手軽な深度合成

今回挑戦したのが、フリーソフトCombineZPを使用した深度合成。

三脚で構図をきっちり固定してカメラを微動させて…
というイメージがあった深度合成。
でも、専用ソフトを使ったら思ったよりだいぶ手軽だった。
多少の構図のズレとか角度のズレとかは、ソフト側で自動修正してくれる。
何十枚も重ねるような本格的なものは無理だけど、
等倍をちょっと超えたくらいの倍率で数枚組み合わせるくらいなら手持ちで十分対応可能。

簡単な使い方は以下。

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①CombineZPをインストール

②深度合成したい写真を揃え、ファイル名を合成する順番の連番にする
  (奥⇒手前、手前⇒奥のどちらでもOK)

②ソフトを起動し、左上の「NEW」を押して②のファイル全てを読み込む

③[NEW]の横のメニューで[Align and Balance Used Frames (Thorough)]を選択し[GO]

④[NEW]の横のメニューで[Do Stack]を選択し[GO]

⑤[SAVE]で出来上がった画像を保存

⑥保存したファイルのいらない部分をカット
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実際やってみた結果。
※手前から奥

1
2
3
4
5
6
6枚合成
余分なところをカットして完成!



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