ムシヒキアブがアシナガバエを捕食している表紙 |
『昆虫との向き合い方』を分かりやすく解説した名著
先日、九段下の科学技術館で開催された「博物ふぇすてぃばる!5」に行ってきた。
そのとき、偶然見かけたのがこの『趣味からはじめる昆虫学』 。
表紙のムシヒキアブが可愛かったので、釣られて購入。
イベントから帰った後、軽い気持ちで読み始めたらこれがすごく面白い。
気付いたら夜更しして最後まで読んでしまっていた。
物凄く良い本だったので、読後の感想を書いてみる。
平易な表現、読者を飽きさせない工夫
『昆虫学』というとなんだか難しそう。
…そう思って読み始めたのだけど、この本はとても読みやすい。
内容は決して易しい題材の本ではないのだけど、平易な表現で説明されているため初心者にも分かりやすい。
また、ちょくちょく興味を惹くような面白エピソードを挟んでくるため読んでて飽きることがない。
まるで教え方が上手い学校の先生の授業を聴いているよう。
虫に全く興味がない人でも、純粋な読み物として楽しめると思う。
読んでてワクワクする本。
読んでてワクワクする本。
『昆虫』そのものではなく、昆虫と関わる『人』に焦点をあてた内容
一番新鮮だったのは、この本は『昆虫』そのものではなく、
昆虫と関わる『人』の考え方や立ち回りについてがメインの内容であること。
今まで読んだことのある昆虫の本は昆虫そのものを対象にするものばかりだったため、この点は新鮮に感じた。
単なるハウツー本ではなく、基礎力を重視した内容
次に良いと思ったところがこれ。
方法について書いた本だが、小手先の技術を記した単なるハウツー本ではないこと。
具体的な内容の前に、どう考えるのか、なぜそれをするのか、
といった『心構え』の部分が詳しく解説されている。
もちろん昆虫の探し方、採取の仕方、撮影の仕方、標本の作り方、といった実践的な内容も書いてあるのだが、
単に『書いてある通りにすれば上手くいく』、というものではなく、
『記載された内容を参考に応用していく』というような次に繋がる内容であること。
一番大切な『基礎力』を重視した内容のため、一度読んでおくといろいろ応用できるはず。
昆虫好きの人だけでなく、鳥・爬虫類・魚等々他の生き物が好きな人が読んでも得られるものがありそう。
私も、これを読んで以降フィールドを歩くときの立ち回りが変わった(ような気がしている)。
細かいことはいいから買って読むべき
ごちゃごちゃと書いてきたけど、結論はこれ。
『めちゃくちゃいい本だから、興味がある人は買って読むべき』
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