オートクレーブもクリーンベンチも使わずに簡易無菌培養
大抵の植物の種子は水・温度・光の状態が適切であれば発芽する。
だが、蘭の種子は例外。
種自身が栄養を持っていないため、何らかの形で外部から栄養を供給しないと発芽しないのだ。
自然界では、共生菌(ラン菌)から栄養を得ることで発芽する。
人工的な栽培では共生菌の用意は難しいので、
必要な栄養を寒天で固めた培地を使って種子に栄養を供給する。
しかし、ここで一つ問題が。
栄養豊富な培地上では、蘭の種子だけでなくカビやら雑菌やらも繁殖してしまうのだ。
※これをコンタミネーション(通称コンタミ)と呼ぶ
そのため蘭を発芽させるためには、無菌状態で培地の上に蘭の種子を播く必要がある。
いわゆる無菌播種、無菌培養ってやつ。
いわゆる無菌播種、無菌培養ってやつ。
家庭で無菌状態を作ることはなかなか難しいので、一般的に蘭の実生は素人には難しいと言われている。
だが、調べてみると次亜塩素酸ナトリウムを使用して簡易的な無菌状態を作ることで、
比較的簡単に蘭を発芽させることができる、という情報が。
早速試してみた。
使用するのはシンプルなハイポネックス培地。
使用するのはシンプルなハイポネックス培地。
用意したもの
■培地用
・水道水 1000ml
・グラニュー糖 21g
※1本3gのスティックシュガー7本を使うと計量の必要がなくて楽
・微粉ハイポネックス 3g
※液体のハイポネックスは不可なので注意
・粉寒天 8g
※4g入りのものを2袋を使うと計量の必要がなくて楽
・キッチンハイター 1ml
※時間がたつと次亜塩素酸ナトリウムが分解されるため新しいものを使うこと
・グラニュー糖 21g
※1本3gのスティックシュガー7本を使うと計量の必要がなくて楽
・微粉ハイポネックス 3g
※液体のハイポネックスは不可なので注意
・粉寒天 8g
※4g入りのものを2袋を使うと計量の必要がなくて楽
・キッチンハイター 1ml
※時間がたつと次亜塩素酸ナトリウムが分解されるため新しいものを使うこと
■機材
・片手鍋
・使い捨て手袋
・シャワーキャップ
※頭から髪の毛やほこりが落ちるのを防止
・密封瓶
・1mlが量れるスポイト
・水道水で100倍に薄めたキッチンハイター
※いっぱい作っておくと良い、一部はスプレーボトルに入れておく
・スプレーボトルに入れた消毒用エタノール
■蘭の種子
・今回はデンドロビウムクリソトキサムのものを使用
作業手順
※作業時は使い捨て手袋とシャワーキャップをつけ、埃の落ちにくい服を着ること。
また、作業は埃の少ない部屋で行う。
シャワーを流した後の風呂場とかが良い。
①保存瓶に100倍に薄めたキッチンハイターを満タンに注いよく振って置いておく。
※圧力鍋(オートクレーブの代用)があるなら圧力鍋で滅菌しておくとより良い。
②キッチンハイター以外の培地の材料を片手鍋に注ぎ、混ぜながら加熱してよく溶かす。
③培地の材料が溶けたら、火を止めキッチンハイター1mlを加えて混ぜる。
④保存瓶の中の薄めたハイターを捨て、消毒用エタノールでよく拭く。
⑤保存瓶に培地を注ぎ蓋をして冷めるのを待つ。
⑥冷めて固まった培地に蘭の種子を播く。
⑦蘭の種子の上から薄めたキッチンハイターをスプレーし蓋を閉める。
⑧直射日光の当たらない明るく温度変化が少ない場所に置いておく。
※植物用LEDを当てておくと良い。
⑧直射日光の当たらない明るく温度変化が少ない場所に置いておく。
※植物用LEDを当てておくと良い。
経過
1か月半くらいで緑色のプロトコーム(細胞塊)を確認。
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